日本の歴史をたどると 現在の我々は過去には見られない長寿の身となっていることがわかります。
浄楽寺起源とされる鎌倉時代で平均寿命が二十四歳、 室町時代は十五歳、 安土桃山時代は三十代、 江戸時代で三十三~四十四歳だそうです。
日本人の平均寿命は平成に入ってから、格段に伸びたようです。
かつて「人生五十年」だったことは有名ですが、実際に平均寿命が五十歳を超えるようになったのは第二次世界大戦後であることがわかっています。
それが令和では人生百年時代。
医療の発達や食の充実で往時では考えられないほどの長生きができるようになりました。
そして物質的に豊かな日本では、様々な選択肢を得ることができるようになりました。
しかし、その有難みを忘れ、感謝を忘れ、ただ毎日を過ごすという無気力な生活を送っている方も多いと言われています。
長生きできるからこそ、何に勤めて、何を残すのかを真剣に考える必要があるのではないでしょうか。
お釈迦様のお言葉に
「安らぎの境地を知らず百年生きるよりも安らぎの境地を知って一日生きる方がいい。素行悪く、心乱れて百年生きるよりは素行すぐれ、心静かに一日生きる方がいい。愚かに、心乱れて百年生きるよりは賢く、心静かに一日生きる方がいい。怠りなまけて、無気力に百年生きるよりは堅固に、励みつとめて一日生きる方がいい。ものごとの消滅の道理を知らずに百年生きるよりもものごとの消滅の道理を知って一日生きる方がいい」
というお言葉があります。
意味のない百年よりも意味のある一日を過ごすべきであるという戒めのお言葉です。
人生は一日一日の積み重ね。
その一日を怠れば百年怠ることにつながるというのです。
往時であれば既になき命、何をして長生きしていきましょう。
「今日一日 よきことのため 使わばや
すりこぎのごと 減りゆく命」
ただ流されるように時間を無駄にせず、しっかりと目標をたてて
一つ一つ真剣に取り組んでいきたいものです。
南無阿弥陀仏