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執筆者の写真副住職

11月のネット法話「後悔先に立たず」

更新日:2022年8月12日



日曜日に「日本沈没」というドラマが放映されています。


1973年に刊行された小松左京による不朽の名作「日本沈没」が 2023年を舞台にリメイクされたものだそうです。


視聴率も好調ということですが、SDGSが唱えられる昨今、 環境破壊が進むことで起こりえる未来としては、 そこまで突飛でもないと感じている人が多いのかもしれません。


今回の設定は、新エネルギーの採掘がダメ押しとなり、 海底プレートが大きくずれて日本が沈没するというもの。


自身の立場を守ろうとする人、自らを省みず善を尽くそうとする人、 様々な人物の心情が映し出されています。


あなたはどの登場人物に自分を重ねているでしょうか。


想像してみてください。


実際に「日本が沈没してしまうこと」を。


その時我々は一体何を思い、 どんな行動をとるのでしょう。


我々が住まうこの娑婆世界は、無常の世界です。


いつ何時、どんな変化が起こるかわかりません。


出会いがあり、別れがあり、得ては失いの繰り返しです。


浮き沈みのない人生はどこにもありません。


そんな中だからこそ、 なくして初めてわかる有難みがあります。


命だけでなく、もの・ことに関しても同様です。


何事も「永遠不滅」ではないことを心から理解することで、 行いは正しい方に向かっていきます。


法然上人は 「阿弥陀仏に染まる心の色にいでは秋の梢の類ならまし」 と歌われました。


「念佛を称えていると、心の中にあったきれいな部分(仏性)が表に出てくる。 それはまるで葉が紅葉するようなものである」

と、行いで変わる人の姿について説かれています。


何が大切かを知り、意識して行動することで、 「本当の私」は磨かれていきます。


今生で心から望み、大切にしたい「こと」は何なのか、 尽くしたい「ひと」はだれなのか。


今一度胸に手を当てて、心に聞いてみてください。


「本当の大切」が見えてきたとき、 極楽浄土に導かれる阿弥陀仏の念佛功徳は、 その真心を通じて染みわたります。


南無阿弥陀仏

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