転載です。
http://www.huffingtonpost.jp/aport/buddha-crowdfunding_a_23329474/
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浄楽寺に受け継がれてきた運慶作の5体の仏像=浄楽寺提供
平安時代末期~鎌倉時代にかけて活躍した天才仏師・運慶。貴族から武士へと実権が移りかわる時代の変革期に、写実性にあふれる新しい表現を生み出し、多くの人々を魅了した。
運慶作といわれる像は全国各地に31体あるが、神奈川県横須賀市の浄楽寺には、そのうちの5体がある。安置している収蔵庫の下に断層が見つかり、免震対策などが必要になったため、A-portで支援を募っている。
浄楽寺にある運慶仏は、阿弥陀如来坐像、脇侍の観音菩薩立像、勢至菩薩立像、不動明王立像、毘沙門天立像の5体。いずれも国の重要文化財に指定されている。昨秋の東京国立博物館の特別展「運慶」では、42年ぶりに寺外でそろい踏みし、来場者の注目を集めた。
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東京国立博物館の特別展「運慶」に出展されていた浄楽寺の阿弥陀如来坐像と両脇侍立像=朝日新聞社撮影
浄楽寺は、鎌倉時代に源頼朝から侍所別当を命じられた和田義盛が願主となり、建立された阿弥陀堂の一つと言われている。同寺によると、2011年の東日本大震災後、収蔵庫の下に断層があることが判明。経年劣化による傷みも目立ってきており、免震工事や修繕が必要になっていた。その期間、仏像をどうするかが大きな問題だったが、昨秋の「運慶」展で仏像が寺外に出るのを機に、工事を進めることにしたという。
今回の工事では、免震装置を導入するとともに、装置が正常に作動するために床が水平になるように張り替えたり、仏像の上の電灯を点検して熱を持ちづらいLEDに交換したり、落下防止の対策をしたりする。また仏像を安置していた台も、約50年が経過して劣化しているため、地元の仏師に依頼して、修繕や装飾を施す。工事費用は約800万円を見込んでおり、そのうち600万円を目標にクラウドファンディングをしている。
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改修工事前の浄楽寺の収蔵庫=浄楽寺提供
なぜ、クラウドファンディングをすることにしたのか――。
副住職の土川憲弥さん(31)は「800年守り続けてきた仏像をこれからもどうやって守っていこうかと考えたときに、国の文化財としても、浄楽寺本尊としても、もっと多くの方にお参りしてもらえるようにしたいと思った」という。
かつてはお寺が地域の中心だったが、今では「葬式仏教」という言葉もあるように、日常からお寺が遠くなってしまった人も多い。人口減少に加え、同じ地域で一生を終える人も少なくなっており、お寺にとっては存続自体が大変な時代になってきている。
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浄楽寺とその周辺=浄楽寺提供
そんな中、土川さんは、お寺をもっと気軽に来られる場所、人生をよりよくしていく場所として思ってもらえるようにしたいと考えている。今回のクラウドファンディングも、お寺の敷居を下げ、かかわりをもってもらうための試みの一つで、5000円以上の支援者には拝観料がかからない永久フリーパスとして利用できるサポーター認定証を発行する。
土川さんは「支援した方から『継承に携わることができてうれしい』と逆にお礼を言われることもある。思いのある人が一人でも多く携わってくれることで、より長いスパンで仏像を受け継いでいくことを考えられると思う」と話す。
1月10日午後6時現在、359人から400万円を超える支援が集まっている。支援の受付は1月24日まで。詳細は、https://a-port.asahi.com/projects/jorakuji/。