「キリスト様の誕生日はいつですか?」と聞きますと大体の人が答えられます。(実際は12月25日はキリストの降誕祭であり誕生日ではないが…)
しかし、「お釈迦様の誕生日はいつかわかりますか?」と聞きますと大体の方が顔を伏せます。
では「花まつりはいつか分かりますか?」と聞きますと、近くのお寺や菩提寺で盛大に開催しているところに縁があれば4月8日と答えてくれることでしょう。
日本人の人口の7割は仏教徒、1%以下にキリスト教徒とデータがありますが
なんでこんなにもマイナーなのでしょうか。
4月8日にお祝いするのは日本だけだといいますから
そういった理由も関係しているのでしょうか。
(世界では涅槃の日であります2月15日に生誕のお祝いをするといいます)
四月八日、この花まつりの日こそ、お釈迦様の生誕の日でございます。
お釈迦様は約2500年前にルンビニー(現在のネパール)の花園でお生まれになられました。
当日、お釈迦様の生誕をお祝いするように、花は咲き乱れ、天からは甘露の露が降り注いだといわれています。
お釈迦様はこの世の苦しみを四苦八苦と分類されました。
その一番初めは「生まれる苦しみ」です。
出産の苦痛は母のみぞ知るところですが、全ての子供は母から生まれるときに頭蓋骨が変形し相当な痛みを伴い生まれてくるようです。
これが生まれるときの苦しみだといいます。
さらに言えば、子は親を選べません。好きな環境に身を置けるわけではありません。もっと言えば、私たちは望んで生まれてきたわけではありません。輪廻という生まれ変わり死に変わりの中に苦しみの人間世界に生まれてきたわけです。
しかしながらこの人間の世界でしか、お釈迦様の教えに出会うことができません。
この人間世界に生まれたからこそ、やっと輪廻を超えることができるのです。
そう考えますと、この人間に生まれる稀有なことが大変に尊いことだと思い知らされます。
この人生では大変なことの方が圧倒的に多いのも事実ですが、この先に極楽浄土を見据えることができたのも仏縁。有限な人生でありますので、毎日を有意義に過ごされますようお願い申し上げます。
浄楽寺では毎年五月八日、本堂の中にお釈迦様の花御堂 (はなみどう) をしつらえ、右手で天を左手で地をさす誕生仏といわれるお釈迦様のお像を花御堂の中にお祀りし、 甘茶をかけて、お祝いしています。
本堂に甘茶とお子様用のお菓子を用意してありますのでご自由にお参りください。
お釈迦様の誕生日には改めて、この人間の世界に生まれたことを喜び、仏縁を喜び、自分の使命を見直してみてはいかがでしょうか。
南無阿弥陀仏