総本山知恩院から徒歩五分あまり、円山公園の少し奥に、静寂さが漂う「長楽寺」様がございます。
延歴二十四年(西暦八百五年)桓武天皇の勅命によって創建されたお寺です。
もともと広大な寺域を持った有名寺でありましたが、大谷廟建設の際幕命により境内地を割かれ、明治初年、境内の大半が円山公園に編入され今日に至るようです。
平家物語のゆかりの寺でもあり、建礼門院が平家滅亡後、この寺で落飾した事でも有名です。
御本尊「准胝観音像」は、天皇御即位の時に御開帳される秘仏として御厨子の中に安置されてきました。
この度、平成の終わりに際し約三十年ぶりに御開帳が執り行われます。
ぜひこの稀有な機会にお参りください。
◆天皇御即位記念御本尊御開帳期間【平成三十一年五月一日(水)~六月十六日(日)】
御像は当寺の開山最澄が、日本と中国の間を航海される途中、船が難破しそうになった際、「南無観世音菩薩」と称えられると、二頭の龍にまたがった観音様が懐に飛び入り、そこで波がしずまったと言う伝説をもとに二頭の龍が舞う上に安置された奇特な観音像でございます。