子どものころ、心待ちにしていた日に「子どもの日」がありました。空を泳ぐこいのぼり、いつもより豪華な食事。子どもながらにワクワクする日であったことを覚えています。親となった今では私を大切に育ててくれた親に感謝する日になりました。同じようにこどもにしてあげたいとも思います。まだ日本がこんなに物質的に豊かになる前の時代、こどもは家族の中で労働力のひとつでした。自分より小さい兄弟の子守りが仕事で、小学生にもなれば家族の仕事を手伝っていました。学校に行けば先生にはきつく指導され、たくましく育っていきました。昨今のこどもというのはひ弱で心が弱いといわれます。それは親の接し方が一因であるともいわれます。麦踏はご存知でしょうか?芽が出たころにカニ歩きになって麦を踏むという伝統的な作業があります。これは、幼いころに踏むことで根がよくはり、冬の霜にも耐えうるよう強く育つのだといいます。麦踏をせずに大きく育つと簡単に倒れてしまうのだそうです。子どもも同じではないでしょうか。もちろん大切に育てるわけですが、ほめすぎてはいけない。子供が望むように欲しいものは買い与え、なきわめかないようにご機嫌を取る。そんなことばかりしていては大きくなった時に風を受けるとすぐに倒れてしまうことでしょう。こどもへの愛情は自分の所有欲に偏らせてはいけません。心が豊かになれることを願い、同情し、自分が与えられるものを与えるわけです。時には試練を、時には物言わず抱きしめてあげることも必要かもしれません。また、親としてたくましい背中を見せることも大切でしょう。感謝の心も、傲慢にならない心も他人への尊敬と自分のいたらなさを感じたとき心から感じるものです。今自分がここにいるのは誰のおかげか。お仏壇の前でお念仏を称える姿を見せることも忘れずに。南無阿弥陀仏
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