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副住職

ネット法話「夏越しの祓」


早いものです。今年も折り返し地点を過ぎました。「あと半年」、「もう半年」言葉の使い方で充実しているのかぼーっとしているのか覚られてしまいそうです。ご存知でしょうか。日本では古来から年に二度の厄払いが行われてきました。大晦日の除夜の鐘は周知のことですが、旧暦の六月末に行われる「夏越の祓」は、半年分のケガレを落とす行事で、この後の半年の健康と厄除けを祈願します。由来は神話の伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の禊祓(みそぎはらひ)にまで遡るそうですが、新暦に移った現在でも、六月三十日ごろ日本各地の神社で行なわれている伝統行事です。神社で半年の穢れを祓い、お寺で年末の煩悩を懴悔する。日本人らしい信仰であるように思われますが、昔の人はそういった「縁起」を非常に大切にされました。縁起とはお釈迦様の説かれた真理で「結果には必ず原因がある、いい行いにはいい結果が、悪い行いは悪い結果になる」ということです。伝統行事が薄らいでいく中、現代の人々は何を大切に生きているのでしょうか。自分は一人で生きていると言わんばかりの軽薄なコミュニケーション、架空のネット社会、マスメディアの情報操作。すべてが空っぽのような気がしてしまいます。自分がここにいるということは先祖がいたということ、家族がいるということ。もっと煩わしいほどの人間関係が大切であることを見直すべき時代になってきているのではないでしょうか。あっという間の半年だと感じた皆様は無理にでもリラックスして半年を振り返ってみてください。自分には何が一番大切なのか。優先順位を考え直してみる機会も大切かもしれません。夏越の祓で今後半年の安泰を祈願して、南無阿弥陀仏でこの人生の先の安心を阿弥陀仏にお願いしましょう。仏教では自業自得の教えです。厄も自ら招いた縁起となります。脚下照顧。 南無阿弥陀仏

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