昔から「むやみに新しい仏壇を買うと死人が出る」などという風説があるので、気にする人も多かったんだよ。
しかし、実はこれは気にすることはないんだ。
当たり前の話だけれど、仏壇を購入するのは、ほとんどの場合新仏が出たときのことだよね。
この事実が逆に広まってしまって、「仏壇を買うと死人が出る」などという俗信になったのかもしれないね。
また、「うるう年に仏壇を買うな」という説もあるんだ。
これは九州のある藩主がそんな命令を出したとされているんだけど、実は節約を促すのが真意だというから驚きだね。
うるう年は十三カ月あるわけだけど、普段の年より一か月多いからと言って、藩士の俸給が増えるわけではない、そこで「節約のために高い仏壇などは買うなよ」ということでお触れを出したというお話。
このように仏壇購入に関する俗信というのは多くあるわけだけれど、特に気にする必要はないんだ。
それはお仏壇とは実際はなんであるのかというところを考えればわかりやすいね。仏壇は極楽の荘厳を表す家庭に一つのミニ寺院。
真ん中に信仰する本尊様を安置し、その世界にいるご先祖の位牌を周りに置く。
信仰を育てる仏壇は「思い立ったら吉日」なのであって、いつ買ってもいい性質のものなんだ。
だが、一般的には仏壇購入は一家から新仏が出てからだよね。
購入に適切な時期は、お魂入れを行う関係からも四十九日の納骨までが望ましいかな。
でも「こうじゃなくてはいけない」ということがないのがお仏壇だから、あまり気にしすぎないように。
もし心配だったらお寺に相談してみてね。