日本語は他国に比べても、ワードが非常に多いです。
日本人として正しく本来の言葉の意味を理解して言葉を使いたいものです。
そんな本日は「親玉」ということばについて。
~ひときわ大きい玉~
盗賊の頭など、一つのグループのリーダーを「親玉」という。
ピッタリしすぎた名称なので不思議でもないがこれも仏教に関係のある言葉である。
仏事の時に手にかける数珠には、他の玉よりひときわ大きい中心となる玉がある。これが「親玉」である。
現在のような意味で使われたのは「南総里見八犬伝」のエピソードに基づいている。
この物語の中で役小角(えんのおづの)が安房里見家の姫・伏姫に数珠を授けるのだが、この数珠には親玉が八つあったという。
主人公と成った八犬士は、この八つの親玉が飛び散って生まれたのである。
共通して「犬」の字を含む名字を持つ八犬士は、それぞれに仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の文字のある数珠の玉(仁義八行の玉)を持ち、牡丹の形の痣が身体のどこかにある。
ここから、中心自分物のことを親玉というようになったわけである。
本来の「親玉」は数珠の中でも中心となり、房が繋がれる玉で「釈迦如来」や「阿弥陀如来」を表している。
数珠繰りで自分の前に来ると持ち上げるのもこのためである。
佛が宿る守護仏具として、数珠は今でも変わらず大切にされている。
南無阿弥陀仏