毎日が酷暑でございます。
熱中症にはお気を付けください。
さぁ。
夏本番です。
花火、祭り、海、夏の風物詩はたくさんありますが、
お寺とって一番関係の深いのが「お盆」ですね。
本来、お盆は日本人にとても大切にされてきた仏教行事でした。
その由来はお釈迦様の十大弟子の一人目連尊者のお話だと伝わります。
目連尊者は神通力で縁ある人の来世を見ることができました。
ある夏の暑い盛り、ふと自分の母親の来世を視てみると、むさぼりの世界、餓鬼道に落ちてしまっていることを知ります。
餓鬼道とは前世において、むさぼりの悪業をたくさん犯してしまった人が
生まれる世界だと説かれます。
目連尊者のお母さんは、目連尊者にとってはとてもいい母親でしたが、
自分の子を大事にするあまり、他を大切にすることに欠けてしまい、
むさぼりの世界に落ちてしまったということです。
世の中のお母さんからすると、これがなぜいけないことなのか?
と考えてしまうことでしょう。
仏教では、慈悲が大切です。
我が子、他の子も分け隔てなく大切にすること
偏らないことが大切だと説かれますが、
なかなか実践できることではありません。
ですから目連尊者としてはとても残念なことだったでしょう。
どうにかして母親を苦しみの世界から救ってあげたいと考えた目連尊者はお釈迦様に相談します。
お釈迦様は 「自分の母親だけを救おうとするのではなく、 同じ苦しみを持つすべての人を救う気持ちを持つように」 と諭されました。
まさに偏らない慈悲の心です。
それを聞いた目連尊者は雨季が明けた修行僧たちに、 飲食、寝床などを施しました。
修行僧は大変喜び、その功徳は餓鬼の世界まで伝わり、 餓鬼道にいる母親が救われたというお話です。
これが盂蘭盆経というお経に説かれており、 これをもとに盂蘭盆会という法要を行います。
盂蘭盆会を行う時期だから、 「お盆」と言われてきたのです。
ですから、お盆とは先祖供養、先祖様を思い出して
感謝の心を持つ日でもあります。
また、三浦地域においては盆施餓鬼といいまして、 餓鬼供養をする施餓鬼と先祖供養をする盂蘭盆を同時に行う慣習があります。
施餓鬼とは餓鬼に施しを与えるということです。
盂蘭盆会のお話と重複するようですが、
故事は阿難尊者という別のお弟子さんのお話です。
しかし、大まかには目連尊者のお話と同じように、
有縁のものだけを大切にするのではなく、
無縁のものにも慈悲の心を持ち、
施す心を忘れないことにその大切さが説かれます。
盆施餓鬼という法要自体は
浄楽寺檀信徒の皆さんにはなじみの深いことだと思います。
このようにお盆とはれっきとした仏教行事です。
お盆の時期には先祖が帰ってくるという民間信仰も相まって、 日本人にとっては先祖様を含めた家族団らんの期間として大切にされてきました。
お盆といえば里帰り。
実家で親戚と久しぶりに会って昔の話に花を咲かせ、
そのご縁を紡ぎます。
しかし近年は、お盆への宗教的な印象は薄まり、 お盆休みという長期休暇を表す言葉のイメージのほうが強くなっています。
これはとても寂しいことだと思います。
人はみな、親から子へ命を継承し人となります。
理想的な親ばかりではないかもしれませんが、 この事実は変わりません。
そうやって代々継承されてきた新しい命には、 先祖からの期待が多かれ少なかれあるもので、 そのつながりこそが「自分」を形作っています。
そう考えると、先祖を大切にできない人は、 自分を大切にできない傾向があるのかもしれません。
さらには、個を大切にするあまり 「一人で生きている」 「一人で生きていかなければならない」
という考え方も蔓延しています。
実際のところ、一人で生きることなんてできません。
人と人のつながりがあって生きることができる。
そういったことに感謝の念を持ち、他を大切にすることが
自分の生活を豊かにします。
また、命の継承という観点で先祖を敬うことは、自分を大切することができます。
そして他をも大切にすることが執着から離れた豊かな生き方となることでしょう。
お盆に対して心から向き合うことは 改めて自分のことを考えるきっかけともなります。
このお盆には南無阿弥陀仏のお念仏で先祖様の安寧を祈り、 万物への祈り、ご自身の極楽往生も願いましょう。
8月14,15日は浄楽寺盆竹灯籠まつりが開催されます。
そこでは、先祖様に向けて手紙を送ることや、
元々お盆の恒例であった七夕の祈りを行うこともできます。
施餓鬼に合わせて、
子どもたちへの仏様のお下がり(お菓子配り)も行います。
ぜひご家族でお参りいただき、
境内の出店でお楽しみください。
きっとそのにぎやかな様子を見て、
ご先祖さまもおまつりに参加してくださることでしょう。
南無阿弥陀仏
#お盆
#浄楽寺 #ネット法話
竹灯籠まつりを盛り上げるために、
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