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執筆者の写真副住職

5月のネット法話「みどりの日に考える」

更新日:2022年8月12日



GWが始まりました。


三浦半島の豊かな自然と食を楽しみに多くの方が訪れています。


GWにはみどりの日がありますね。


この祝日は「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心を育む日」 という目的のもとに1989年に定められたそうです。


我々人は、衣食住然り自然の恩恵なくしては生きていくことができません。


感謝するだけではなく、 大切にしていかなければ死活問題になります。


国連は、今のままでは2050年に食糧危機、気候変動、 天災の増加など未曽有の問題が現実になると警鈴を鳴らしています。


しかしながら、自然環境の問題を自分事に考えられる人はまだまだ少ないようです。


確かに環境問題と聞くと、スケールの大きい話に聞こえます。


さらに、特に環境に配慮していなくても生活できること、 また罰則がないこともその原因の一つでしょうか。


しかし、マイクロプラスティックの問題にしても、 温暖化にしても既に顕在している問題なのです。


そこには「自分だけがよければいい」という心理が働いているように思えます。


他を利することを大切にする大乗仏教では戒められていることです。



法然上人が著した往生記に、 極楽への往生が叶わない人の性質を表した四障(疑心・懈怠・自力・高慢) が説かれています。


阿弥陀仏を疑う心ではお念仏は声になりません。

念仏の素晴らしさはわかるが面倒くさいという怠け心ではお念仏は声になりません。

自分だけは自分で何とかするから大丈夫という根拠のない自信はお念仏を声にしません。

自分は他より優れているという、うぬぼれの心ではお念仏は声になりません。


ですから念仏往生の障りとなると説かれます。


この四障は人を不幸にする心です。

「疑い」は善い行動を妨げ、「怠け心」は向上心を遠ざけ、

「自力の過大評価」は孤独を生み、「おごった人」は敬遠され助けを得られません。


すべて、「他」との関係から離れる悪しき心です。


「他」があり、「己」があります。


他を大切にしなければ、自己の幸福はありません。


「自分だけがよければいい」という考えは短期的には影響を感じないかもしれませんが、 結局自分の首を絞めてしまうのです。


大切なのは感謝の心を持つだけではなく、 その恩恵に報いる心、そして行動ではないでしょうか。


日々の念仏が最終的に臨終の極楽往生へと縁をつないでくれるように、 環境問題に関しても、できることからコツコツと行うことで、 解決への糸口が見えてくるのだと思います。


いずれにしろまずは、問題意識を持つことがスタートラインなのでしょう。


南無阿弥陀仏


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