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執筆者の写真副住職

8月のネット法話「精霊棚のしつらえ」

 お仏壇とは各家庭の極楽浄土。


金色の本尊が安置され、 黒塗りの位牌が飾られ、 先立たれたご家族が今まさに極楽浄土にいることを表しています。


先立たれた近しい家族から五十回忌を終えた先祖さまを祀るその場所は、 一家の中心であり、信仰の中心であります。


お仏壇を大切にしないということは、 自らを形作ってきた継承・歴史を重んじていないという解釈もあります。


「仏壇の汚れは我が身の汚れ」などといいますように、 今ある状況を落ち着いて振り返ることができるような心の余裕があるときは 優先順位を間違えず、お仏壇もきれいにしているものです。


逆に言えば、お仏壇をきれいにすることから始めて、 落ち着いて心を整えていきましょうというメッセージでもあります。


どうかこのお盆にはお仏壇を整えて、 胸を張ってご先祖様をお迎えできるように準備してまいりましょう。


お盆には各お宅をまわり、ご回向を行います。


お盆の時期は仏壇の前に精霊棚(しょうろうだな)というものを用意して、 位牌を棚の上に出し、ご先祖様がお戻りになられていることを形で示します。


このお棚の前で読経し回向(えこう)するのでお棚経(たなぎょう)とよばれています。


ですから、お盆のお棚は非常に重要なものだといえます。


そのしつらえをお伝えしますので可能な方はご準備いただけますようお願いいたします。



画像:浄土宗公式サイトより



まずお仏壇の前に脚の低い机を用意し、真菰でできたゴザを敷きます。


机の四方(または奥2カ所)に竹を立てて縄を張り結界とします。


提灯に見立てたホオズキなどを吊るします。


中央奥には位牌をお祀りし、手前に御霊前とお供物、 さらに中央手前に香炉、向かって右にロウソク、左に生花を供えます。


また、キュウリの馬とナスの牛を飾ります。


そして、細の目状に切ったナス・キュウリ・お米を水に浸した「水の子」、 ミソハギを数本束ね少量の水に浮かべた「閼伽水(あかみず)」(仏さまに供える水)を蓮の葉(ない場合はお皿)に乗せて供えます。


しつらえた後はまごころを込めてお念仏をおとなえましょう。

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