お寺の庭をみると心が安らぐ気がするよね。
日本人の庭について少し解説しよう。
日本人の「にわ」の考え方の中には、 自然を再現して身近に置きたいという心理が働いているんだ。
これは自然を支配下に置こうとする西洋の考え方にはないものだね。
現代にも引き継がれている日本的な庭には禅宗の精神が大きく影響しているんだ。
古代日本では、人の生活領域をすべて「にわ」と呼んでいたようだね。 畑や空き地も神事・政事の場所も「にわ」と呼ばれたんだ。 その後、庭園が造られるようになったのは、飛鳥・奈良時代のことになる。
でもね、奈良時代のお寺には、今のようなお寺はなかったんだよ。
この時代は上流階級のための仏教だったから、お寺は修行の場に徹していたことがその理由かな。
平安・鎌倉時代に入って、民衆に仏教が広がるとお寺は次第に開放されるようになったんだ。それにともない、浄土教寺院を中心として純日本庭園が造られていったという。京都の平等院や浄瑠璃寺、岩手の毛越寺などは浄土式庭園で有名だね。
さらに禅宗が渡来すると、山川草木をそのままの景色として借りてきて庭に置くという 「枯山水」という手法が用いられるようになったんだ。
禅宗と結びついた武士階級の質実剛健な気風は、 自然そのままで味わいのある庭園を好んだみたいだね。 無窓疎石など高名な禅僧に造られた庭園はとくに有名だね。
この頃の庭園は、のちの庭園のイメージの礎となり、 禅宗の自然の見方、自己の見つめ方がこうした庭園を生み出したんだ。
寺院の庭園はそういった成り立ちでできているから心に響くものがあるんだね。
心にゆとりがなくなったらお寺に庭を見に行くのもいいかもしれないね。
合掌
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