確かに、 お寺にはお墓がつきものかもしれないね。
それではまずはお墓のことから考えてみよう。
実は、大昔の日本には、墓地というものがなかったんだ。
日本では古来より死体と霊は別物で考えられていて、 死体は汚らわしいものとして扱われていたみたいだよ。
人里より遠くの山に捨てその穢れから避けるようにしていたこともあるんだ。
今では考えられないよね。
縄文時代には貝塚や洞穴などに遺骸や遺骨が埋葬されていたんだ。
墓地ができたのは弥生時代とされ、 この頃になると集落の近くに集めて埋葬される習慣ができる。
やがて、646年の詔で「墳墓の制」が定められ埋葬地が定められてくる。
初めて寺院の境内に墓が設けられたのは770年、 称徳天皇を埋葬した西大寺だね。
その後、 仏教が広まる9世紀のころに墓地と寺院の密接な関係は構築されていく。
仏教では生まれ変わり死に変わりを元に、 死後の世界を説くね。
死後への修行、死者を弔う供養など、 死者にまつわる儀式も多いことから寺院での墓地建立は一般的になっていく。
さらに、江戸時代、 宗門人別改帳により檀家が寺を支えるようになると、 檀那寺として檀家の墓をお守りするようになっていく。
現在は各自治体の保健所がお墓の地域管理を行っていて、 お墓を作れるところは決められているんだ。
その墓地用地の多くが寺院の所有地となっていることで、 お寺(の土地)以外への墓地建立はあまり多くはないのだね。
どこにあってもどんな形でも、 お墓は一族の歴史、自分の歴史。
お墓を大切にして
ご先祖様も自分のことも大切にしようね。
合掌