神道を国教とする政策が行われた明治時代を経て、 現代において天皇が仏教徒となる考えには違和感を覚える人が多いだろうね。
その経緯には様々なものがあるんだけど、 古くは天皇の多くが出家していたんだ。
お寺には様々な種類があるけど、 その一つに「門跡寺院」というものがあるのは知っているかな?
門跡寺院とはいうなれば身分の高いお寺のことだね。
皇族や摂家の子息などが出家すると、 そのお寺を門跡寺院と呼び、 室町時代のころからは最高のお寺としてあがめられるようになったんだ。
もともと「門跡」という言葉は、 「一門が受け継ぐ法の跡」という意味で、 一門の考え方を統率する主僧のことを指していた。
これが、宇多天皇が出家して住んだ、 京都・仁和寺を門跡と呼ぶようになって、 寺院の称号に使われるようになったんだ。
江戸時代になると、 宮門跡(親王が住まう寺)、 摂家門跡(公卿の子弟が住まう寺)、 公方門跡(武家の人間が住まう寺)などに分けられて、 制度化されるようになった。
この制度は明治四年に廃止されたんだけど、 その四年後には旧門跡に限り、 私称として許可されて、 現在でもその名を残している。
知ってのとおり、 時代によっては天皇家も困窮していた。
身分制度というのはとても不思議なもので、 理屈抜きなのか、理屈だけなのか、 高貴な方はそれなりに尊いように感じてしまうよね。
その身分を利用して、 寺格を上げるために利用された皇族もいたんだよ。
もちろん、心からの信仰心で出家された天皇もたくさんいたんだけどね。
仏教はもはや日本の道徳。
今の天皇もその本質では菩薩道を貫いているのだと思うよ。
合掌
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#菩薩道は日本の心