前回は禅宗について少し話したね。
臨済宗・曹洞宗・黄檗宗と同じ日本禅宗でもその布教の仕方や主に行う修行に違いがみられるという。
よく言うところでは「禅問答の臨済宗」「只管打坐の曹洞宗」と表現されるけど、どちらも禅宗ということで坐禅を大切にしているね。
栄西が日本に伝えたのが臨済宗とされているけど、 実際は多数ある流派のうちの一つを栄西が日本に伝えたので、 臨済宗の祖という言い方は適切ではないかもしれない。
現在の日本臨済宗を確立したのは江戸時代に出られた白隠慧鶴(はくいんえかく)禅師とも言われている。
臨済宗では「公案」という禅問答を手掛かりに悟りの境地を目指す。
煩悩で覆われた人間が問答を通して「見性(明らかに見る)」によって迷いから脱するという教えだね。
鎌倉五山、京都五山で知られる通り、上層階級に広く浸透した。
曹洞宗は道元を祖とする。 ただひたすらに坐禅を行うことを肝要とし、 坐禅をすれば悟りが開けるという他の禅とは異なり、 坐禅そのものが悟りの目的であるという。
道元の言葉に「坐禅は心身脱落なり。只管に打坐して初めて得べし」と言われるように、坐禅によって、自分の心の底が抜けて、自らの仏性を見つけ出すことができると考える。
本山は福井県の永平寺、鶴見の総持寺。臨済宗が貴族や武士に広まったのに対し、曹洞宗は民衆に広まった。
手法は異なるが、当然、お釈迦様の教えを体現する宗派である。
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