2021年1月7日、8日で二回目の大地の再生が行われました。
今回は本堂の脇の池を中心に整備に入りました。 檀家さんの話を聞く限り、60年以上も手が入っていない池は、 いつの日か、あおこの浮く「死んだ池」になっていました。
この池は、鬼門となるお稲荷さんの直下にあり、 山の湧水を一手に引き受ける役割を担ってきたのでしょう。 この水の流れが滞ることで、お寺の境内の生態系や、付近の植生にも大きな影響があたえられてきたのではないでしょうか。
池の水(ほとんどがヘドロ状態)のものをすべてポンプ車などで排出することも選択肢にはあるかと思います。 しかし、そのヘドロもどこ行ってしまうことやら…ということで、すべて池の中で処理するという手法で池を元通りにするプロジェクトは始まりました。
まずは、池の中のヘドロを焼杭で作った囲いの中に積み上げます。 目的はヘドロを池の中から出して乾燥させることにあります。 池の中のヘドロには、眠っている種が多くあるといいます。 十分に酸素を地中にいきわたらせることで、土が呼吸し、微生物や虫が住みやすくなり、その中で以前からあった水草などの池の中の環境が元に戻ってくるということです。
池の中は1,2Mほどの泥が積み重なり、歩くのもやっとでした。 普段より10分の1ほどのスピードでしか進めず、作業は難航しました。
池の中の環境を整えるために、周辺の土中環境の改善も行わなければなりません。
周辺には点穴をあけて、炭や竹などを入れて、水が土中にいきわたるように施工します。
風と寒さに悩まされた二日間。 皆様の疲れを少しでもいやせるようにと、 食事は本堂で。
周辺の水脈も整えていきます。
10名程度で作業に入り、朝から晩まで… 皆様の的確でスピード感のある処置は見る見るうちに周辺環境を整えていきます。
二日間の作業で、池は半分湿地帯、半分泥沼状態。 今後はポンプで水だけを継続的に抜き出し、 まずは池を乾燥させることを目指します。 ゆくゆくは魚が泳ぎ、きれいに花が咲く池を目指していきたいと思います。
大地の再生の中で、いかに、我々現代人が自分の都合だけで 住環境を作ってきたのかがわかります。 大災害や、予測のできない被害は、 自然と向き合ってこなかった我々に原因があるのかもしれません。
自然の中に生かされていることを思い出し、 心地のいい空間を目指しながら、自然環境にも恩返しをしていかなければなりません。
次回は2月頃でしょうか。 参加は自由です。 ご興味のある方はぜひご参加ください。