浄楽寺にて第4回目になる大地の再生が行われました。
今回は、本堂脇の「池の再生」の大詰め。
浄楽寺本堂脇の池は表鬼門の下部に位置し、山を背負う境内の循環ポンプとしても重要な存在です。
ですが、話を聞くところ、60年~70年の間ほぼ整備されてこなかったとのこと…
池をきれいにすることで、井戸の水脈活性や境内の環境改善に
つながると信じて、大地の再生に取り組みました。
前回の施工で、池のかいぼりの手始めとして、泥の汲み出しと池の乾燥を行いました。
泥で埋め尽くされた池には酸素が届かず、
土中はグライ化し、ガスが出ている状態でした。
とても生物がすめる状態にはなく、 檀家さんからも忘れ去られた池は、ザリガニとカエルの住処となっておりました。
浄楽寺の池のような沼池は、水草や多様な生物が住まうことで
食物連鎖、水の動き、酸素の供給が生まれ、
水がきれいに保たれます。
理想的な環境とはかけ離れた池をかいぼりして、
土中の在来植物の活性とほかの植物を植えることで、
池の中の多様性を促進する施工を行いました。
池の泥は、取り出して乾燥させ、植栽の際に使用。
池の中は高低差をつけて水の流れができるようにしたり、
中央部分には蓮を植えられるように他よりも高めに土を盛ったりしました。
池の中には循環ポンプが設置され、
常時水の中をかき乱します。
檀家の梶ヶ谷さんより鎌倉八幡宮の蓮をいただき、
植えることもできました。
今後、池での時間を楽しめるようにと、
池を周遊できる橋を架けました。
ベンチも設置しましたので、ご利用ください。
まだまだ、池の水は泥状態ですが、
今後、植生が整うことで水はきれいになっていくそうです。
この池の名前を「宝池」(ほうち)と名付けました。
宝池は『観経』において、 極楽世界を目の当たりにするために順次に説かれる観法のうちの第五観。
極楽国土の池が八種の功徳を具えた水を湛たたえ、 一々の池の水は七宝から成り、 しかもそれは如意珠王という宝玉から湧き出た柔らかなもので、 池から溢れて七宝の色の一四の流れとなって金剛の砂を敷いた黄金の渠こみぞを通り、 その流れには直径一二由旬もの七宝の蓮華が六〇億もあり、 その間や宝樹を伝う水の音が仏の教えを演説し、 如意珠王から放たれた光明が百宝色の鳥となって、 その鳴き声が念仏・念法・念僧の教えを讃ずる様を観想する。
とありますが、
「山や大地の恵み(=宝)が池を作り、 お寺との縁をつなぎ仏縁(=宝)を頂く機会となるような池になってほしい」
という思いからこの名前としました。
今後が楽しみです。
お参りの方はぜひ様子をうかがってみてください。